2013年01月14日(月)
渡部さとる「da.gasita」 [写真集のこと]
私小説のような写真集である。
真四角の美しいモノクロ写真プリントが並ぶ米沢を舞台にした写真集。
私は、作者が出版社が経営するギャラリーで個展を開催した際に購入したので、作者のサインとRolleiflex 2.8Eのイラスト?が入っている。
最近、仲良くしていただいている写真仲間に作者と親しい方が幾人かいて、この写真集の制作に纏わる話などを少しだけ漏れ聞かせて貰った。写真家がプリントにこだわり印刷にこだわり、出版社がそれに応えるとどういうものができるのか。本作は、その素晴らしいサンプルになっていると思う。
こういう写真集を目にすると、自分のスタイルとか何とかいう以前の、モノクロ写真プリントとしてのあるべき姿、良い写真とは何かが理解できるような気がする。やはり何処の世界も一緒で、一級品に触れることで初めて、そのあるべき姿を知ることができるのだ。
商業印刷されたものではあるが、この写真集のモノクロ写真は、指標になり得る。
白を飛ばさず、黒を潰さず。陰も空も出来る限り階調の中に入れ、飛ばす時は飛ばす、潰す時は潰す、白いものは白いし、黒いものは黒い、理由のある飛ばし方潰し方をする。そういうことが、わかる。
自分としては、この写真集を見て、まずは基本通りのプリントを制作したいと強く思った。手法は、アナログでもデジタルでも良い。「おっ、わかってるね」というプリントを制作したい。そのためには、撮る時からプリントを想定して撮る必要があるのは、想像に難くない。元が悪かったら、後工程だけではどうにもならないこともあるからだ。
なかなか難しいような気がするが、もしできた時には、コンテストグレードのプリントが仕上がっていることだろう。
今年の試行錯誤の最初は、モノクロプリントから、かな・・・。
次の展示には、もう間に合わないけどね(^_^;)・・・
Posted by Julian at 13時23分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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