2012年01月09日(月)
フィルム写真からデジタル画像を制作するADDシステム(長いよ〜) [日々の徒然]
昨年一年で、撮影の主力はすっかりフィルムに移った。なぜフィルムで撮るのかについては、幾つか理由があるのだが、それはここでは割愛して、フィルムで撮影してデジタル画像を生成するADDシステム(アナログ撮影、デジタルラボ作業、デジタル出力)について、現時点の記録と備忘録を兼ねて書いてみたい。
ADDシステムの起点は、当然ながらフィルムカメラである。撮影に使うフィルムは、今のところカラーネガフィルムばかり、それもKodak GOLD100が圧倒的に多い。2011年は、30本以上このフィルムを使った。ISO100のネガフィルムを使う理由は、手持ち機材に古いカメラが多いため、シャッター速度やAEの関係で高感度なフィルムでの露出にシビアな撮影に向かず、比較的遅いシャッター速度で撮れるISO100で、アバウトな露出を許容するネガフィルムの懐の深さを当てにして撮影しているからだ。Kodak GOLD100を使う理由は、敢えて緩めのシャープネスと粒状感が欲しいからでもある。ひたすら綺麗なデジタル画像が欲しければ、素直にデジタル一眼で撮ったほうがシャープ且つ綺麗に撮れる。
撮影したフィルムは、近所のチェーン店のDPEショップで現像してもらっている。本当は、もうちょっとこだわって、フィルム撮影推奨を標榜する店に現像に出したい気持ちもあるのだが、今のところお手軽さを優先している。店まで自転車で5分以内、35mmのカラーネガなら約50分で現像が上がる魅力は、なかなか捨てがたい。
現像から上がってきたフィルムは、Nikon COOLSCAN IV EDという10年以上前のフィルムスキャナでデジタル画像としてPCに取り込んでいる。既にニコン純正のMacOS X 10.7用のドライバソフトは提供されておらず今後のサポートもないため、スキャンソフトにはVueScan Proを利用している。VueScan Proには、ネガのベースカラーを半自動で覚えてくれる機能があり、これがなかなか重宝する。スキャナにわざわざ10年以上前のCOOLSCAN IV EDを未だに愛用している理由は、ひとえにDIGITAL ICEというフィルムのゴミや傷を補完してくれる機能があるからだ。
フィルムスキャンに利用しているPCは、2006年発売のApple MacBook Pro 15inch(MBP 2006)である。実は、ハードディスクが不調になってしまったMBP 2006を初期化し、MacOS X付属のディスクユーティリティで不調セクターをマスクして、だましだましフィルムスキャン専用機として使っている。
スキャンしたデータは、ハードディスクに不安のあるMBP 2006には保存せず、別のマシン(iMac)の外付けハードディスクに格納し、後述する他のマシンと共有している。もしもMBP 2006のハードディスクが飛んでも、データは問題ないはずである。
スキャンデータは、COOLSCAN IV EDの最高品質である2900dpiでスキャンし、TIFF形式で保存する。TIFF形式は、容量が大きいのが玉に瑕だが画像品質的には他の形式より良いと思う。カラープロファイルは、sRGBである。本来は、Adobe RGB 1998で保存したいところなのだが、残念ながらAdobe RGBをまともに表示できるディスプレイを持っておらず、今後もしばらく手に入れる予定がないため、現状はsRGBで妥協している。画像の明るさやコントラストは、スキャンする際にある程度調整する。
スキャンして別マシン(iMac)の外付けハードディスクに格納したTIFFデータは、2010年発売のMacBook Pro 15inch 2010(MBP 2010)にインストールしたAdobe Photoshop CS5で調整をして最終画像としている。MBP 2010は、前述のMBP 2006のハードディスクがおかしくなってしまった際に、致し方なく緊急で手に入れたものだ。私の用途では、実はMBP 2006の処理能力で十分で、MBP 2010のCorei7など必要ないのだが、まぁ、手元にあるなら少しでも速いマシンを使おうということで、こちらをPhotoshopマシンとしている。ちなみにMBP 2010は、他の用途でも使っているメインマシンで、写真専用ではない。
Photoshopで行う処理は、(1)スキャン画像に残るフィルムの余分な部分を削除、(2)縦横比3:2にトリミング、(3)flickrやblog用に画像サイズを縮小、の3点がメインだ。加えて、斜めに写ってしまった写真の水平の調整をすることもある。Photoshopからのアウトプットは、(2)まではTIFF、(3)はJPEGである。
画像の色合やコントラストを調整したい場合は、上記(2)で制作した縦横比3:2のTIFFファイルに対して行う。画像加工をした場合、後々、何をどう調整したのかわかるように、保存ファイル形式にはPhotoshop形式であるpsdを利用する。psdは、これまた容量がでかいのだが、まぁ、仕方ない。
最終アウトプットのTIFFやpsdができたら、後はPhotoshop CS5のイメージプロセッサ機能で一気にバッチ処理でリサイズとJPEG変換を実行する。以上で、フィルムで撮影した写真から、blogやflickr用の画像が出来上がる。
なお、プリントをする場合は、最終アウトプットのTIFFやpsdのファイルを用いてインクジェットプリンターでプリントしている。愛用の用紙は富士フィルムの「画彩 写真仕上げ Pro」だ。
ここまでが現時点での、銀塩カメラで撮影したフィルムからデジタル画像を製作するADDシステムの全貌である。
ADDシステムの使用機材で昨年新たに揃えたものは、VueScan Proと画像保存用外付けハードディスクのみで、残りは古い機材を利用して構築している。COOLSCAN IV EDなど、今から10年くらい前に、それ以前の自分の愛車を写したネガフィルムをデジタルに取り込む目的で、既に後継機が出て投げ売り状態で売っていたものを購入したものである。それが、今になってこんな形で写真システムのメイン機材になるとは、わからないものだ。MacBook Pro 2006にしても、ハードディスク不良のためヤフオクや中古PC店に売るわけにもいかず、仕方なく手元に置いておいたものが生き返った。ちなみにこのマシン、今やハードディスクに加えてバッテリーもいかれてしまい、もはや部品取りくらいにしかならないだろう。
2011年は、2005年-2007年ころの極私的第一次写真ブームの際に揃えた銀塩機材に加えて、コンパクト銀塩カメラを中心に銀塩機材を更に強化した。
2012年は、銀塩機材と上記ADDシステムを使って、フィルムで撮っていく予定である。
Posted by Julian at 17時05分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
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コメント
blogへのコメント、ありがとうございました。
記事の方も読ませていただき参考にさせていただきたいと思います。
自分の方はといえば今はなきMINOLTAのDimage Scan Dual Vという骨董品クラスのものを使っておりましたので、逆によく今までもったな、という印象です(笑)
僕もフィルムをメインとして活動していきたいと考えているので、こういったフィルム関連の製品が少なくなっていくのはさみしい限りですね。
今後も是非からませてください。
りょうへいさん:
コメントありがとうございます(^^)。
こちらこそ、よろしくお願い致します〜。